久々に、作品を公開しようと思う。
「行き先は決まらない」を文章サイトとして使う気はもうないので、ここで公開する。
ただし、衝撃的なデビュー作品を書こうとした結果、かなりストイックなものになってしまった。
普通の人は気分を害するので、続きを読む記法にしておく。
本当は、昨年の学園祭に出そうと思っていたが、インパクトばかり考えていて倫理性に欠けてしまったので、パスしてもらった。
ついでだが、これが詩か詩でないかと聞かれるとかなり微妙であるが、まあ、2択なら、詩でない。


優しさの理由〜精神科医編〜 No.4.0

際限ない苦しみの中にあり
貴方は何故 優しい


子供の頃の貴方は 物をつくるのが大好きで
はんだごてと親友になった
普通の高校 普通の大学に通い
貴方はエンジニアになった


コンピュータの黒い画面と 緑の文字を眺め
深いため息をついた


若さを捨てた貴方は 物をつくる喜びに疲れ果て
学びやの戸を叩いた
普通の学校 異色の経歴を持ち
貴方は なんとか医者になった


妻をめとり 子をもうけ
たくさんのお金をもらい
「先生」と呼ばれ
ねたまれ うらまれ 感謝され


入院患者の白い病衣と 黄色のしみを眺め
深いため息をついた


安らぎの赤い座椅子と 紫の衣を眺め
仏の前で
深い眠りについた


際限ない苦しみの中にあり
貴方は何故 優しい